読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

*きままなひとりごと*

ゆるりとすきなことを呟いています。

時間をとめたかった。

自分がどうしたいのかわからなかった。
あの子がいなくなってからずっと。

いろんな人と話していくと、彼を忘れたくなくて映像を見る人と、見たくない人と二通りいて。
わたしは前者で、彼のでた作品をいなくなってからも何度も見た。
プレゾンも歌舞伎も嵐もNEWSも、前に出た少クラのGetup!も見た。
見ては泣いたり、笑ったり、ときめいたり、改めて気づいたこともあったりした。
でも最後にはもうそれが更新されることはないのだと気付いて、苦しくなった。
だったら見なければ良い、そう思うけれど止められなかった。
それを見ている時間だけは、あの子の時間を停められたから。まだここにいる、と思えたから。
まだ好きでいても良いと、待っていても良いのだと思えるような気がした。

あれから半年経って、初めの内は騒がしかった周りも落ち着いて。
気付いたら自分の誕生日もあの子の誕生日も終わっていた。
まだ肌寒い3月が終わり春が始まった。と同時にまたじわじわと周りは動きを見せた。
今のこの世の中知りたくない情報ほどひょんなところからやってくる。
あぁやはりそうなのか、と思う一方で、とても複雑な気持ちになった。
その人の人生だもの好きにしたらいい、おめでとう、と上っ面では言える。
でも心の奥底では自分の気持ちを、応援してきた気持ちを踏みにじられたような気がした。
本当に勝手だ。
向こうにとってはただのファンの一人でしかない。
良い年なので、別に本気でどうにかなりたいと思っていたわけじゃない。
でも、なんだか勝手に失恋した気分になった。

アイドルとファンの関係はとても密接で、その半面とても分厚くてどうやっても壊せない壁がある。
わたしたちは向こう側のことなんてまるで分っていないけれど、見えている一部を見て勝手に推測して勝手に想って勝手に恋をして勝手に失恋をする。
でもそんな勝手な夢を見させてくれるのがアイドルなのかもしれない。
そんな風にも思う。

好きな気持ちは嘘じゃない。幻でもない。
だからそれを否定するようなことは考えたくない。
けれど現実は思った以上に突き刺さった。どうにもならない壁は確かに存在する。
アイドルの面をしっかり見せてくれていたらプライベートなんて知ったことか、と思っていたけれど、そうと割りきれないところまで、好きになってしまっていた。
だから、とても裏切られた気分になった。
あの子の言葉や笑顔やパフォーマンスはいつだって自分たちに向けられていたけれど、その裏では第2の人生の為に着々といなくなる準備をしていたのだ。
そう思ったらとてもとても切なくなった。
あの時も、それを思いながらわたしたちの目の前に立っていたんだろうか、そんな風に考えてしまう。
そんなの推測でしかないのに。

でも何も知らないあの時の自分はその時間が幸せだった。
楽しかった。
きっとずっと恋をし続けると思っていた。
その時の気持ちは嘘じゃないし、楽しそうな笑顔を向けてくれた舞台やコンサートはとても思い出に残った。
彼の言葉にはきっと嘘はなかった。
だから、その思いを崩したくなくて、まださよならを言い出せずに彼の時を停めてしまう。

そんなことを色々考えながらこの数日を過ごした。
別に今すぐ答えを出さなきゃいけない訳でもない。次の自担決めなきゃ死んじゃうわけでもない。
そうわかっていてもこの中途半端な感情を持て余していた。
どうしてこんなに好きになったのか、今でもわからない。
どうしたらいいのかもわからない。

でも、いろんな人と話をしたり、思いを聞いたりしながら、結局は自分が決めなくてはならない事なんだ、とは思う。
いつかは自分なりになにか納得できる理由をつけて、わたしの心の中にずっとあった彼の帰ってこない部屋を明け渡すんだろう。
空き家になるのか、誰か新しい人が住むのか分からないけれど。

フォロワーさんが言っていた。辞めたんじゃなくて卒業したんだって。
その言葉は良いなと思った。
あの子は卒業したんだ。次の、彼のための未来にいくために。

卒業生を思い出すのは悪いことじゃない。色んな思い出を残してくれた彼の事をそうやってたまに振り返る。
懐かしい映像を観て、懐かしい写真を見て。こんなことあったね、って。
そうやってわたしもあの子から卒業をするのかもしれない。


まだ納得のいく答えや、感情のいく先が見えたわけじゃない。
でも何だかこの数日でまたいろいろ考えたことがあって、だからとりあず残しておく。
好きになるって楽しいけれど一度こうなってしまうと、怖くなる。
また同じようなことがあったときに自分が乗り越えられるんだろうか、と不安になる。
それでも、きっとまた他の誰かを好きになるのかもしれない。


やっぱり、アイドルを応援する――好きになるって、難しい。



◆追記
どうかもう卒業した彼のこと、広めないで欲しいなと思う。これは彼のファンの我が儘かもしれないけど。どうかそっと心の中に。